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性格の中に運命はある

09 23, 2015 | Tag,女性,生き方
心が沈んでいる時、迷いが生じている時、
気持ちの行く先が定まらない時…。

私はやはり本を読みます。

父が亡くなった後、
私が最初に買った本はこれでした。

自己メンテ・百歳の力
百歳の力 (集英社新書)

本の帯を見ても分かるように、
篠田桃紅という、103歳の現役美術家の自伝です。

この方のことは、少し前にTVでも取り上げられていたりして、
何となくは知っていました。
著書も売れていると聞き、書店にも見に行きました。

でもその頃はまだ、桃紅さんの本を買うまでには至りませんでした。

その後、父を亡くして、一人暮らしとなった私は
ある日ふらりと立ち寄った本屋で、
気がついたら桃紅さんの本を手に取っていました。
そして幾つかある中で、集英社新書のこの自伝を買いました。

この方は、5歳の頃から父親に書の手ほどきを受け、
20代前半で習字を人に教えるようになり、自立します。
結婚には興味を持てず、独り身のまま仕事を続け、
その後、ただ字を書いているだけに飽き足らなくなり、
墨による抽象表現という芸術を開拓して、
現在も現役で創作活動をされているとのこと。

なぜ私はこの方の自伝を読む気になったのか。

このように突出した才能を持つ女性の人生に
共感できるかどうかは、もちろん読むまでは分かりません。
ただ桃紅さんと私との間には、
バツなしシングルである(笑)ということと、
自由を何よりも愛する、という2つの共通点がありました。
なので、女がこの先も一人で生きてゆくにはどのような覚悟が必要か、
という様なことは学べるのではないか、と思ったのかも知れません。

実際、私はこの自伝を読んで良かったと思っています。
共感できる部分も結構ありましたし、
学びを得るところもありました。

桃紅さんが独身である理由は、
根っから自由を愛する彼女の気質もありますが、
女学校を出たらお見合い結婚をする、という
当時の価値観に対する違和感もあったようです。

    私が仲良くしていたもう一人の友だちが、相手は地主の息子だし、いざってい
    うときに生活に困ることはない、それがいちばんの安心だと、両親が言うから
    結婚する、そう言ったのね。
    だから、「あなたは地面と結婚するのね、その人じゃなくて。そこの家の地面と」
    と正直に言った。私のこと、さぞかし意地の悪い友だちだと思ったでしょう。

                       (篠田桃紅著『百歳の力』より)

桃紅さんは芥川龍之介がお好きだったようです。
その芥川氏がある書物で、次のようなことを書かれていたそうです。
日本の女性はパラソルひとつ買うのにも、
あちらこちらの店を回って1日がかりでやっと決めるのに、
一生の連れ合いを決める時には、
知り合いの叔母さんとか学校の校長とか、
そういうはなはだあてにならぬ人物のすすめによって決める。
あれがどうしても理解に苦しむと(笑)。  

    私は、ほんとうだ、この人のいうとおりだ。……それで運良くいい人にあたれ
    ばいいけど、これはくじびきみたいなものだ。あたらなかったら、私の仲良く
    していた友だちみたいに、夫がすぐ戦争に赴いて戦死して、なんのために結婚
    したんだろうってことになる。
    私は、これはたいへんだ、結婚なんてかんたんにしたらたいへんだ、って思っ
    ちゃったの。それが始まりよ、私の人生。

                             (同著より)

桃紅さんが若かった当時は、見合い結婚が主流だったのでしょうから、
尚のこと結婚という選択が、自由を愛する桃紅さんの人生から
除外されていくのは当然のことだったのかも知れません。

しかしあの当時にそういう生き方を可能にしたのは、
やはり桃紅さんが仕事を持ち、自立していたからに他なりません。
桃紅さんは自由を愛するのと同時に、
とても自立心の強い女性です。
というか、自立と自由はセットですけどね。

    私は、結婚してよその家に依って生きることが、ただ恐かった。その中に入
    れば、自由はない。ほんとうに頼れるかどうかわからないものに、ほんとうの
    安心も安定もないですよ。   

                             (同著より)

桃紅さんは、女ひとりで生きてきて、
苦労したかというと、そうでもない、
したいことをして気楽に生きてきただけだと云います。

ただそう云えるのは、自分には頼みとするものがあったからだと。
作品をつくる、それがなかったら何もできない、
自分の作品に依って生きることを私は選んだのだと。

一方、そうやって自由に生きてきた桃紅さんにも
ある種の後ろめたさ、というか、
特に母というものにならなかったことへの
ある種の思いはあったようです。

    母になったことがない私は、肩身が狭い。小さくなって世の中を生きてる。
    母になりえるものであるのにならないんだから、よっぽど愚かか、へそ曲がり。
    この世に母ってものがなければ、誰もいない。万物のもと。なりえるもので
    あるのに、それをよけて通ったということは、傲慢といえば傲慢。謙遜とい
    えば謙遜。

                              (同著より)

この「傲慢」と「謙遜」という言葉、両方で表現している所が面白い。
同じく「母」というものにならなかった私は、
桃紅さんがこの2つの言葉を選んだ意味が、とても良く分かります。

自らの作品を頼みに、自らに依って生きてきた桃紅さん。
この桃紅さんにとっての「作品」という部分を、
「仕事」と置き換えてもいいかも知れません。
結婚している、していないに関わらず、
自立の手段としても、そして自分の使命としても、
仕事はとても大切。

あなたの頼みとしているものは、何ですか?
それは、自分の中にありますか?

もし頼みとするものが他人の中にしかなかったら、
人生はとても危うく、心細いものになります。

いつでも自分で生きていける力を蓄えておく。
「仕事はお金のためだけではなく、
人間としての尊厳を守るためにも必要なこと」だと
FOXEYの前田義子さんも仰っています。
自分の足で立つということで、
人間としての尊厳を保てるのだと。

自らの腕1本で生きてきた桃紅さんですから、
仕事に対する考えはとでもシビアです。

    非常に困ったことが起きたとか、心配があるとか、そのときどきの自分の
    感情には影響されない。仕事で立って生きると決めた二十代から、それが
    あたりまえだと思って生きてきました。
    なにがどうだからうまくいかなかったとか、許されないですよ。そんな
    甘ったれたことを言うのは。プロというのは、どんなときでもそれをやり
    抜いてびくともしないでやっているものです。私はそういう甘えは許せない
    方です。

                            (同著より)

私にはまだまだ甘ったれな部分も残っていますから、
この桃紅さんの厳しい言葉には、背筋を正される思いがいたしました。

この桃紅さんの自伝。
後半は結構、芸術論も多くなって、少々話が難しくもなりますが、
前半はホントに面白いし分かりやすいし、
別に芸術を志す人でなくとも、得るものはあると思います。
私はひとりで生きてゆく勇気をもらいました。

そう、この言葉も印象に残りました。

    芥川龍之介は、運命は性格の中にあると言った。運命が性格をつくるんじゃ
    ない。性格の中に運命はある。近ごろほんとうだ、と思うようになった。
    性格が運命を拓き、もって生まれた性格というものが、いい作用をするとき
    にいい運命になって、悪いほうに働いてしまうと悪い結果をもたらす。
    努力することも性格。性格というのは一切です。だからあたりまえと言えば
    あたりまえ。     
    
                           (同著より)

この言葉を逆に考えれば、
考え方や行動を変えれば、運命は変えられる、ということですね。

最後に…やはり桃紅さんの自伝から、
この言葉を引用して、このレビューを終わりにいたします。


    ほんとうの幸福は主観ですよね。
    自分が幸福だと思わなければ幸福というものは始まらない。









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-12 Comments
By アクアマリンちゃん09 24, 2015 - URL [ edit ]

こんばんわ~

 「母になったことのない私は、肩身が狭い」
この「後ろめたさ」に、私とても共感しました!
文伽さんもそうですが、私も「独身子なし」です。
自分の生き方を悔いる事はないのですが
ただ一つだけ、子供を産んでいないことが心残り。

私の好きな言葉に
 「しあわせは いつも 自分の心がきめる」
これは、大好きな相田みつを先生の言葉です。
文伽さんが最後に引用した言葉と同じだと思いました。



By 文伽09 24, 2015 - URL [ edit ]

アクアマリンちゃんさま。
コメントありがとうございます。(^^)

>  「母になったことのない私は、肩身が狭い」
> この「後ろめたさ」に、私とても共感しました!

「独身子なし」の女性なら、おそらく誰でもこのような思いを
心の片隅に抱えているものですよね。
命を繋ぐということに、あえて背を向けた人生を選んだ。
そこにはやはり「後ろめたさ」が伴います。

> 自分の生き方を悔いる事はないのですが
> ただ一つだけ、子供を産んでいないことが心残り。

私も35歳を過ぎた頃、、
このまま子供を産まない人生でいいのか?ということを、
自分に問いただした覚えがあります。
そのことについては昔、「女の幸せ=貴女の幸せ?」
という記事にも書いたことがありますが、
結局「結婚・出産・育児」というものの中に、
私の幸せはない、という結論に達したのですね。

> 私の好きな言葉に
>  「しあわせは いつも 自分の心がきめる」
> これは、大好きな相田みつを先生の言葉です。
> 文伽さんが最後に引用した言葉と同じだと思いました。

「しあわせは いつも 自分の心がきめる」
ほんとにその通りですよね。
というか、そう思っていつも生きていれば、
不幸になることはないと思います。
世間一般の価値観に左右されない、自分の幸せとは何か。
それを見失うことなく、これからも生きていきたいと思います。

By 09 26, 2015 - [ edit ]

このコメントは管理人のみ閲覧できます

By 慧喜09 26, 2015 - URL [ edit ]

あ、つい鍵コメにしちゃったーー;ごめんなさい、ついつい。

By 09 26, 2015 - [ edit ]

このコメントは管理人のみ閲覧できます

By 文伽09 26, 2015 - URL [ edit ]

鍵コメさま。
コメントありがとうございます。(^^)

あ、ついに鍵コメさんもアレを始められたんですね~。
最初は色々と戸惑うこともあるかもですが、
様子を見ながら、自分流にマイペースでやってみてください!(*^^)v

桃紅さんの本にも興味を持って頂いて嬉しいです。
桃紅さんの芸術に対する考えも述べられていますし、
むしろ私よりも鍵コメさんの方が、得る所は多いのでは?と思いますよ。
制作の合間に読んでみてくださいね~。(^_-)

By 文伽09 26, 2015 - URL [ edit ]

> あ、つい鍵コメにしちゃったーー;ごめんなさい、ついつい。

あらら~(笑)。
いえいえ、私的にはどちらでもOKですよ。(*^^)v

By 文伽09 27, 2015 - URL [ edit ]

近況をお知らせ頂き、ありがとうございます。(^^)
無理せず、ゆっくりと活動再開してくださいね。

By 09 27, 2015 - [ edit ]

このコメントは管理人のみ閲覧できます

By 文伽09 28, 2015 - URL [ edit ]

鍵コメ3さま。
コメントありがとうございます。(^^)

私の伝えたかったことを、ほんとに的確に受け止めてもらえて、
とても嬉しいです。
鍵コメさんはやはり聡明で繊細な方だと、改めて思いました。

自分の世界を追求していくことは、
時に辛くなることもあるでしょうけど、
これまでと変わりなく、誠実に歩みを進めていってくださいね。

私もいつか…自分の世界に帰れる日が来るといいな。
そう思っています。(^_-)

By kerobebe10 03, 2015 - URL [ edit ]

こんばんは!

性格の中に運命がある・・・
幸せは主観・・・

本当にそうだなと思います。

色々書きたいのですが うまく文章に出来ず
女子会でゆっくりお話ししたい気分です(^_-)-☆

By 文伽10 04, 2015 - URL [ edit ]

コメントありがとうございます。(^^)

> 性格の中に運命がある・・・
> 幸せは主観・・・
>
> 本当にそうだなと思います。

ねぇ~?共感しますよね。
基本、すべては自分の考え方次第で、
世界の見え方が変わるのでは?と思います。

> 色々書きたいのですが うまく文章に出来ず
> 女子会でゆっくりお話ししたい気分です(^_-)-☆

ほんとに♪
いつかまた私が一人で東京に行くことがあったら、
私のブログの読者のアラフォー、アラフィフの方々と
「女子だけのオフ会」みたいなものしたいな~と
ぼんやり考えている私です。(^^ゞ

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★血液型:O型
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